僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「俺、あんなこと言ってないから。」

「わかってるよ。皆もわかってる。」

「バスケ部にも入らない。」

「…でも、もったいない気がするなぁ。せっかくなのに……かけもちってダメなの?」

「ムリだなぁ。高校バスケは、中途半端じゃ通用しないから。俺みたいにブランクがあるヤツは特に!」

「そうは思わないけど。」

「うちのバスケ部は“熱い”みたいだし、俺だって、どうせやるなら勝ちにイキたい。けど、バンドにハマってる今の俺じゃあ、ムリ!」

「おっと、熱いね!」

「はぁい。好きなもんで…バンドもバスケも!」

「うん。見てて思った。」

「はじめたきっかけは、いい加減なものだったんだけどな。」

「あ〜、モテたかったとか?」

「みっこちゃんがバスケ部だったから…こっちの友達から聞いて、なんか、共通点がほしくってさ…そしてハマってしまいました。単純なんで。」

「へー。なのに今、両方とも断ち切ろうとしてるんだ?初恋もバスケも…それで良いの?」

「インスピレーションかな!今の俺には、必要なものじゃない気がするから!」

「わかんないけど…でも、そーゆーのって大切だよね…時には。」


そう、感じたまま行動することも、間違ってない時がたくさんある。


今しか出来ないこと、
今やらないとわからないことを見逃して、
あとになって後悔するくらいなら…


「だって俺、ステージにたってないじゃん!まだ、おまえらとさ!」

「…そーだよね。」

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