僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
その日のホームルームを終え、

ヘッドホンを取出し首にかけ、ゆっくりと立ち上がる木村が
バッグを背負いながら廊下へと出たところで、

さっきの二人のうちの、小出と名のった男と、
もう一人、違う男が待ちぶせていた。


「うっす。じゃあ行きますか!」

「あ、ああ。」

「あ、こいつ神戸将太郎。」

「ちーす。神戸と書いて、“かんべ”と読みまぁす。あだ名はコービー…なんでかわかる?」

「神戸牛から名前をとったって言う、バスケのアレ?」

「そうそう、アレ。」

「そのあだ名は誰が?」

「中学の時のバスケの顧問。」

「…へー、バスケ部だったの?」

「まあ、控えだったけどね。あれ?もしかしてトクちゃんも?」

「あー、俺も同じようなもんだ」

「おっと、気が合うねトクちゃ〜ん!俺の場合、その腹いせにドラムを叩いて今があるってわけ!」

「おっし!光一は後から来るから、帰ってようぜ。」


初めて会ったその日に、
何も疑うこともなく二人について帰る、その道程は、

同じ横浜とは思えない、緑の風景に囲まれた所だった。


「ここだから。覚えれた?」


小出の家は、門と玄関の間に庭があって、
その敷地内に、もう一つ小さい家の入り口があった。


ふたりは、当然のように、そのドアを開け入っていき、徳幸も続いて足を踏み入れた。

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