僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「おじゃまし…」


驚いた。
そこは二重扉になっていた。


「ここ、防音になってんだ。」

「…すげーな…」

「碧人ん家は音楽一家なんだよ。」

「へー。有名なの?」

「所属してる楽団がな!爺ーちゃん、父ーちゃんはヴァイオリン、母ちゃんはフルート。」

「コイツも弾けるんだぜ、ヴァイオリン。」

「あれはビオラだよ。」

「…金持ちなんだ?」

「なわけねーじゃん!だったら違う学校行ってるって!妹だけで精一杯。」

「妹?」

「茜ちゃんは音楽の私学に通ってんだよ。」

「俺は見限られました。」

「で、バンド。」

「弦は増えたし、歌も唄うんじゃムズくて。」

「じゃあ、ベースが光一ってヤツ?」

「そ!今、吹奏学部手伝ってる。」

「あ〜。」

「あとからキーボード担当と来るから…とりあえずどのくらいできるのか、先に見せて。」

と、碧人は自分のギターを徳幸に差し出した。


「イイの使ってるなぁ」

「格好から入るタイプだから。」

「指が震えちゃうよ。」


受け取った徳幸は、

ポロポロ〜ン〜と音を出したあと、
一度、チューニングをしながら、何を弾くかを考え、

『禁じられた遊び』を弾きはじめた。

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