僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「一人なの?」

「うん。タカと喧嘩しちゃって…」

(なんでいつも喧嘩してんだよ!仲良くしろって!)

「じゃあ帰ろ!」

(えー。)

「トクちゃん!ここから二人で帰れるから、あたし達!」

「ああ。」

「今日はホントありがとうね!楽しかった!」

「うん。」

「明日ね!」

「じゃな。」


今日のシメは、茜にもっていかれてしまった。


仕方なく徳幸は、見送るつもりで、ふたりの後ろ姿を見ていた。

するとその時、


ふと振り返った茜が、
微かに、鼻で笑ったかの様に見えた。


「なんだアイツ!」


珍しく敵意を表す徳幸。


シメを台無しにされたとか、
以前から、あまり良く思っていなかったことが原因なのではなく、

明らかにアレは、
茜からの挑発だと感じたのだった。


何故かなど、理由を考える余裕は無かった。


ひとつ考えるとしたならば、
“わがまま娘の気まぐれ”と言ったところだろうか。


「俺は絶対、あんな奴と関わらないからな!」
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