僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
返事はこうだった。

『なんで?』

だから、

『なんか、気を使ってるように見えたから。』


メールでなら、何でも言える(書ける?)自分がいた。


『やだな〜トクちゃん。そんなことないよ!心配してくれてるの?』

(さて、何て返す?)

『なら良いんだけど。』


さすがに、
“心配でたまらない。”とは、
返信できなかった。

そして

『トクちゃんは、自分のことを心配しましょう!おやすみなさい!』

意味不明なメールに、

(人の気も知らないで、なんだよ!)

と、困惑する徳幸だった。



波多野とのメールのやり取りの後の徳幸は、
帰ったばかりの時と比べ、
だいぶ、冷静に色々と考えることが出来ていた。


(俺と居たところを、妹を通じて、適当に碧人に言われたりしたら、バンドの練習もしずらいよなぁ。だって、なんでもないんだもんなぁ、俺たち…なんでもないのかなあ?)


そして、水族館での、律子の言葉“な〜んか、いい感じ”を、思い出したりしてみては、

(あの子、天然ぽかったしなぁ。)

と、ひとりノリツッコミをしていた。



そんな律子が、
次の日の学校で、徳幸を探して、クラスまでやって来た。

< 77 / 202 >

この作品をシェア

pagetop