僕らがめぐり逢うために。〜幼なじみの恋〜Ver.2
「ちょっとイイ?」

わざわざ、教室の外に呼び出された徳幸。


昨日のお礼を言われるにしては、随分しおらしいと思いながらも、
律子が待つ廊下まででて行った。


「昨日はどーも。」

「んあ。」

「あのさ、昨日タイミング逃して言えなかったんだけどさぁ。」

「うん。(なんだ?)」

「香織ね、野球部の男子に告られててね、」

「!…ああ。」

「アレ!そんなもん?」

「そんなこと…されることもあるだろう。」

「まぁね。どう受けるかは香織しだいだけどぉ。」

「なんで、俺に?」

「言ったでしょ!二人が良い感じだって!」

「…波多野は、誰とでも上手くつきあえるんだよ。」


徳幸は、自分でそう言いながら、
自分にも、そう言い聞かせていた。


それからの時間と言うもの、
徳幸は漠然と考えていた。


何も知らぬ間に、波多野に彼氏ができてたとしたら、自分はどうしていただろうか?


たまたま、こうして教えてくれる者がいたが…

でも、

だからこそ、こうやって考える時間があるわけで…


(波多野は俺のこと、どう思ってるのかな?あの後夜祭の時だって、波多野は俺を連れ出したよなぁ。少しは脈はあるのか?)


ちょっとでも可能性があるのなら…
あとで後悔をするのなら…
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