ラブ@メール
レンは私の手を強く振り払うと、今度は私の手首を掴んだ。
痛い。
痛いよ。
でも、ハルの口から流れる血を目にした瞬間、そんな痛みも言葉も消えた。
本当はハルの元へ駆け寄ってあげたい。
傷を癒やしてあげたい。
そばにいてあげたい。
ひとりでがんばってきたハル。
傷ついてしまったハル。
私を求めてきたハル。
次々と浮かぶ。
それなのに
ハルに抱きしめられた感触。
感じた胸の痛み。
ハルの想い。
強く握られた手首から、消えていく。
これ以上、ハルを傷つけたくなかった。
それだけだったのに…。