ラブ@メール
観覧車に乗り込み、窓の外に目をやる。
目の前には絶景が広がっていた。
「きれい!」
「やべえー!」
私もレンも、窓に顔をくっつけて、子供のようにはしゃいだ。
観覧車に乗るために列を作っていた人たちや、さっきまで乗っていた乗り物。
視界に見えていたものが、どんどん小さくなる。
そして、空しか見えなくなったころ。
気付いた時には、私とレンのふたりきりの世界。
「桃」
さっきまで一緒になって子供の顔をしていたレンが、急に大人の顔になる。
そして、私も。
これからレンが何を言おうとしているのか、私は既に分かっていた。