ラブ@メール


家に帰り、誰もいない部屋に明かりをつけた。


いつも通り、お母さんは仕事。

お姉ちゃんは、バイト。

ふたりとも、帰って来るのは夜中だろう。


私は居間の隣の畳部屋に行き、仏壇に向かって手を合わせた。

写真の中で優しく微笑むその人は、大好きだったお父さん。

私が6歳の時に、事故で他界した。


お母さんが一生懸命働いてくれているお陰で、私とお姉ちゃんは何不自由なく育った。

私たちは本当に仲のいい姉妹で、大きくなったらお母さんに親孝行しようね、なんて約束もしている。


私たちのために、必死で働くお母さん。

そんなお母さんに「本当は寂しい」だなんて、言えるはずもない。



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