ラブ@メール


最近、よくハルからメールが来ていたことを思い出す。

でも、疚しい気持ちなんかこれっぽっちもなかった。

それとも、少しでもハルのことを想ってしまった過去の過ちが、波乱を招いてしまったのか…。


どちらにせよ、過去は消えない。

それに、今ならはっきりと言える。

私はレンが好きだと。


きっと、彼女は何かを誤解している。


そう思った私は、言葉を発しようとした。

しかし、物凄い形相で私を睨む彼女を目にした途端、何も言えなくなってしまった。

のどまで出掛かった言葉は、私の中で消えた。


彼女は私に冷たく背を向け、コンクリートの地面を蹴り上げる。


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