アニキとユージ
それから殴る蹴るの暴力が続いた。
口の中が切れて、血の味が広がる。


暴力は嫌いだ。
ツッパってワルのチームにいるけど、それは自分を強くみせたいだけだ。



「テメェ仲間の居場所わかってんだろうが、吐けや」



散々殴られて、また問い詰められる。


「言えません…」

それだけは言えなかった。
言ってしまったら、もう仲間には入れてもらえない。
裏切り者は相手にされない。


「ばきっ」

痛い。


「どんっ」

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い。



「もぅ…やめてください」


「はぁ???」


「許して…くだ…さい」



「じゃ、言うんだな?」



「………。」



言って…いいだろうか。

言ったらこの痛みから逃れられる。

でも

言ったら二度と仲間には入れてもらえない。



言うか。
言わないか。



言わないなら…死ぬかもしれない。




死ぬかもしれない。
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