俺の彼氏!







光だった。

横目で見ると、その表情はにんまり顔。



「東京の本店、高級チョコ専門店に予約して取り寄せたの。
美味しいだよね~、これが!」



……その余裕の笑みがムカつく。


俺はシカトを決め込んで、ため息をついた。


光は質、匠は量、か。
……俺はどちらも備わってない。

金欠な俺は、板チョコを四枚しか買えなかった。
ほとんど失敗したし、二枚分残ったかどうか……。




もう一度ため息を吐こうかと、息を吸った瞬間。




ガラッ




ドアが開いた音が耳に聞こえたが、その音はすぐに心臓の高鳴りで消された。





……優斗、だ。







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