恋 理~renri~
仕事だけに生きるしか、私には道がない。
ホント、寂しいヤツだよね・・・
「“仕事しかない”って言葉は、違うんじゃない?」
「え・・・?」
彼の真剣な瞳の色に、吸い込まれるように目が離せない。
「胸を張って、頑張れるものがあるなら。
今の発言は、自分の努力を蔑んでいるようにしか聞こえない。
真咲、それは止めた方がいいよ?」
諭すように、でも優しい口調で宥めてくれる。
「でも・・・
私にはそれしか、縋る物がないだけなんです」
仕事にしか、生き甲斐を見出せない・・・
「良いんじゃないか?」
「え・・・?」
彼の言葉に、目を丸くしてしまう。
「縋る物ってさ・・・
何か一つでも無ければ、人は生きていけない。
それでも気づけずに、生きている人が多いと思うんだ。
だから、見つけている真咲は・・・
ある意味幸せと言うか、俺としては羨ましいな?」
「大和さん・・・」
そんな考え方もあるんだ・・・
彼のポジティブシンキングが、心を温めてくれる。