恋 理~renri~
だって私は、今まで・・・
仕事にしがみ付く可哀想なヤツだと、自分でも思っていたから。
彼の言葉は、そんな私に少しだけ自身をくれる・・・
嬉しくなって、つい笑って頷いてしまう私。
すると・・・
「だからさ、もっと胸張れよ!
私はこんなイイ女なんですってな?」
なんて、舌をペロッと出して言い出す大和さん。
「もぉー、さっきの言葉が台無しですよ!
何でこんな時に、茶化したりするんですー?」
呆れた表情で、尋ねてみたけれど。
「そうか~、本心なんだけどなぁ?」
「よく言いますね…、もう――」
話術で彼に勝つなんて、あり得ない話で。
当然のように、私の方が折れてしまった。
それよりも、どうしよう・・・
彼のアドバイスが、私の心臓を囃し立ててしまって。
さっきから、ドキドキが止まらない。
この報われない想いに、行き先はナイのにね――?