恋 理~renri~
疎 通
こんなに強引で、荒々しく唇を奪われているというのに。
それでも逆らう事も抗いも出来ないのは、相手が彼だから・・・
大和さんだから、受け入れてしまうの――
「んっ…、ハァ・・・」
蜘蛛の糸のような唾液が糸を引いて、ようやく離された唇。
朦朧とする意識の中、ようやく酸素を取り込めるようになれたけれど。
眼前には精悍な彼の顔があって、直視出来ない恥ずかしさで一杯の私。
視線を逸らそうにも後頭部を固定されていては、なす術も無くて。
せめてもと、目線を下に落とす事に従事していると。
「その顔…ヤバい――」
「へぇっ!?」
彼が発した言葉に驚き、バッと正面を見上げてしまう。
まだまだトリップ状態で呂律が回らず、恥の上塗りだというのに…。