恋 理~renri~
“会おう”という言葉に、心臓がキュッと温まったような動きをしたけれど。
「ッ…、そ、れはちょっと・・・」
怖いという気持ちが押し寄せて来て、躊躇いがちに返したものの。
「…心配なんだよ」
「・・・ッ」
私の弱りきった部分へと、ピンポイントで優しい言葉を重ねてきて。
「で、も・・・」
「…正直に言えば、俺が会いたくて堪んないだけ。
ダメか――?」
「ッ・・・や、まと…」
彼の甘い声色が、まるで電磁波に中てられたように鼓膜を揺らしたせいで。
同じ営業畑で生きている者とは思えないほど、しどろもどろになる。
「本当は、すぐに駆けつけてやりたいけど…。
明日の夜まで待っててくれ・・・」
「っ、うん・・・」
亜実がいるコトや、さっきの彼女の言葉さえも忘れるほどに。
彼に見えていないというのに、大きくコクンと頷き返していた私。
やっぱり大和が好きだという、本心にはウソがつけないから・・・