恋 理~renri~
大和が人に対して凄く優しいのはきっと、ソレが“当たり前”だったからかな…?
「あの、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。
沢井 真咲と申します、それと妹の亜実です…、どうぞお願いします!」
大和とお母さまのやり取りを笑っておきながら、今頃挨拶をする失態を仕出かして。
穴があったら埋まりたいけど…、取り敢えず平身低頭で自己紹介をすれば…。
「アハハ、真咲ちゃん良いのよ!…今頃だけど大和の母です。
今日は2人とも、遠い所へ来てくれてありがとう」
快晴といった空模様と同じ、カラっとした笑みを浮かべて宥めてくれた。
「あ、ありがとうございます…」
「嬉しいわー、女の子がずっと欲しかったの!
孫まで出来た気分だわ、うふふ」
「そ、そう言って貰えて…、ホッとしました」
大和のお母さまの優しい表情で、気を抜けば今にも泣き出しそうな私。
「真咲ちゃん、どうかした…?」
「あ、いえ、大丈夫です!」
首を傾げて心配そうにするお母さまに、ブンブンと大きく頭を振った。
実の母は優しさが服を着たような人だったから、不意に重ねてしまったのだ。