CROOK GIRL×BOY



『・・・・・』


彼女は未だ、睨み付けている。


「ルゥってば!! 聞こえてんの?!」

ナオは いつもの彼に戻っていた。


『・・・・・聞こえてるって』


そんな彼に、彼女は小さくため息を零した。



『・・・・・盗み屋』


「なに? ていうか、いい加減その呼び方やめれば」


そんな事をいう彼に、ルゥはイラッとするが


『庇ってくれて、ありがと』


きちんと 彼女は助けてもらったお礼を言った。

まさかルゥに そんな事を言われるとは思ってもいなかったシークは、一瞬 ポカンとしていた。


けれど、彼はクスっと笑い、


「言葉だけじゃ、足りないな」


彼女の目元に キスをする。


『なにす・・・』


さほど驚いた反応をしない 彼女の声に


「んなっ・・・!!! シーク!!」


ナオの叫び声が重なる。






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