CROOK GIRL×BOY
誰も近づこうとしない森の奥深く。
どことなく誰かに見られているように感じるのは不気味の悪い木々のせいだろう。
空に浮かぶ満月が、
闇に包む森を微かに明るく照らす。
そして満月が見つめる下
殺し屋の三人はそこに居た。
「何で殺そうとしたのに止めたの?ルゥ」
殺しきれなかったのをまだ根に持っているのか
ナオはむぅっとルゥに理由を訊く。
『あの盗み屋の奴は強いよ』
「確かに、泥棒のわりにはいい剣の腕だったな」
「でもレイ!所詮盗み屋だよ?俺たち殺し屋に勝つわけないじゃん」
『まぁボク達は常に殺してるし』
「そうそう!俺たちの方が力は上なんだよ」
だからさっさと殺せたのに・・という目でナオがルゥを見る。
『いい加減根に持つのやめれば』
ルゥは呆れたように小さくため息をつく。
ホントにナオって18歳なのか疑問・・・
『それにアイツ、本気だしてなかった。所詮盗み屋だからって油断してたら逆に殺されるよ』
「それに戦う事に夢中になって顔を見られる危険性もあるからな。気をつけろよ」
誰もがジッと見てしまうくらい鮮やかな赤い髪の青年、レイがナオの髪をくしゃっとする。
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