CROOK GIRL×BOY
キレイに響く音楽。
それに合わせて優雅に踊る人々。
色とりどりのドレスは、
夕陽に染められさらにキレイに煌めく。
そして盗み屋のクラルとシークは、
コソッと草陰に姿を隠していた。
「いい?あいつらは踊っているのに夢中だから、その隙にサッとネックレスやらイヤリングやら・・お宝は全て取るんだからね」
「わかってるって」
そう言うと、シュッと彼等は草陰から姿を出す。
風のように早く走り、
踊っている人々の間をサッと通ったと思えば、
手にいっぱいのお宝を持っている。
取られた事に気付いてない人も居れば、
当然気付いた人もいる。
気付いた人々は、「ない!わたしのネックレスがない!」などと叫びだす。
クラルとシークは一旦また草陰に隠れる。
「どれだけ取れた?」
「そりゃ大量。あいつらトロいからさ、簡単に奪えんだよね」
そう話していたとき、
キャー―!!!っとさらに大きな悲鳴が聞こえる。
「「まさか・・」」
シークとクラルはお互い顔をあわせながらそう呟いた。
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