CROOK GIRL×BOY


必死に追っていた赤い髪の姿を、見失ってしまった。

いつしか人で溢れていたところとは打って変わって、
ガランとしていて活気のないところになっていた。


「・・・見失ったか」

はぁ、と短いため息をつき、シークはクラルの所に戻ろうと
振り向こうとしたとき―――・・・


「誰を探している?」

耳元で囁かれた、聞き覚えのある声。

バッ、 と勢いよく振り返れば、
先ほどまで追っていた赤髪の青年が、クスッと笑いながら立っていた。

「・・珍しいネコを見かけた気したから」

シークのその言葉に
ムッ、 としたレイは、

「誰がネコだよ・・・」

とボソッと呟いた。






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