CROOK GIRL×BOY
あれからどのくらい経ったのだろう。
もはやすでに死んでいるのに、
ナオは数十回刺し続けていた。
辺りに散っている赤い血は、
もはや誰のものかも分からないぐらい、一面血で覆われていた。
奴を殺すことに一心不乱だったナオ。
コイツが死んだと確信した瞬間、肩に衝撃な痛みが走る。
体中に染まった血の色。
肩からはなおも血が流れ出ている。
フラつく体で、倒れている母に近寄る。
『ねぇ母さん。・・・アイツ、死んだよ』
そう話しかけても、返事はもう二度と返って来ない。
真っ白な彼女の頬を、血で染まったナオの手が触れる。
あたたかい温もりはすでになくて、
いつも優しく微笑んでたその笑顔も、消え去った。