CROOK GIRL×BOY
ナオと初めて出会った時
彼は血まみれで、冷たい
瞳をしていた。
誰も興味本位で殺し屋に
なったわけではない。
ナオも、ルゥも、
そしてオレも。
忌々しい記憶を抱えている。
『レイ、ナオの事が気になるのは分かるけどさ。今はそっとしときなよ』
さすがルゥだ。
考えいた事を、
ほとんど見透かされている。
「あぁ、そうだな。 俺達に過去は、どうしようも出来ない」
『それに、どうせすぐ元に戻るよ』
感情をすぐ出す者は
殺す事なんて出来るわけない。
同情なんか捨て、
悲しい過去は心に閉じ込め、
ただ深い憎しみだけを
覚えとけばいい。
自分の手をみながらルゥは、
静かにそう思っていた。