CROOK GIRL×BOY
「“首狩り”が来やがったぞ!! すぐにホールの方へ行け!!」
耳に響くような声に、慌ただしい足音。
裏口にいた数十人もの見張りは、たった一人しかいない。
侵入するなら、今だ
-カランカランッ
茂みの方から、物音がする。
「誰だ! そこで隠れている奴、出て来い!」
男はゆっくりと茂みの方に近寄る。
『敵に背中なんか見せちゃ、殺されるよ』
「―――ッ!!」
『もう遅いけどね』と言いながら、剣は振り落とされた。
跳ね返った血が、仮面や首を少し汚す。
血が滴れる剣を握り、静かに屋敷の中へ忍び込んだ。