CROOK GIRL×BOY
「俺たちをなめんな!!」
一斉に襲い掛かってくる 敵。
剣を握る手に再び力を込め、ルゥは一人で向かい打つ。
コイツらに適当な攻撃は通用しない。
ナイフを腕に刺したぐらいじゃ、動揺もせずそのまま突っ込んでくる。
だとしたら 一発で確実に殺すしかない。
『十数人vs一人って 卑怯だね』
どうやら遊んでいる余裕は あまりないようだ。
一番早くに突っ込んできた奴の首に、力強く剣を突き刺す。
「そんな貫通するほど刺してちゃ、抜いてる間に殺されるぜ!」
ハハハッ と笑いながら 後ろから剣を振り下ろそうとする 二人目の敵。
『殺される前に 殺してあげる』
落ち着いた声の彼女は、瞬時に右手を 腰に回した。
「アハハハ! まだ剣が抜けてねぇのに、俺を殺せるわけねぇだろ! 死ねぇ!!」
廊下に響く狂った笑い声は、
「ガハッ」
飛び散る血と共に 消え去る。
血まみれになった壁 廊下に倒れる二つの死体。
やや血で染まったグレーのマント。
しかし彼女はまだ 傷を負っていない。
『今回は 本気でいってあげる』
彼女は右手にも 剣を握握っていた。