CROOK GIRL×BOY
『ッ・・・!』
雑魚に刺されていた肩の傷口からは 再び多くの血が流れ始める。
「ハハハハ! 中々やるじゃねぇか。 だがな! 俺はこのぐらいで死なねぇよ!」
彼は勢いよく 彼女のお腹を蹴り上げ、跳ね飛ばす。
『うっ・・・』
急所にヒットし とてつもない吐き気の元、血を少し吐く。
「大丈夫だ、殺しはしねぇ。 警察に売るためにな。 だが瀕死状態にさせてやる」
カチャリと 奴は銃口を向ける。
「ルゥ、立ち上がれ! さっさと距離をとるんだ!」
しかし儚くも 彼女は立ち上がることはできなかった。
必死に体を起こすことだけで 精一杯だった。
『盗み屋。 僕らの資料を売ることは許さないけど、けれど僕が倒れようと、せめてコイツからは資料を奪っといてよ』
こんな奴に 僕らの資料を持たせておくわけには いかないんだ。