星に願いを。
「ありがとうっ。やっと終わったよ~」
「それにしても、派手に落としたなぁ蜜葉」
「う、うるさいっ」
やっと片付いた部屋を見ながら、目的のアルバムを持って戻ろうとしたその時。
「…あ」
泰ちゃんの声で振り向くと、また寝室に戻ってベットのそばにしゃがんでいた。
「どうしたの?」
「いや、まだ残っ――」
泰ちゃんは、そこまで言って黙り込んでしまった。
「泰ちゃん?まだ写真落ちてたの?」
「……」
あたしが近づこうとすると、泰ちゃんは慌てて振り返り笑顔で言った。
「そう言えば、蜜葉の卒業アルバムも見たことないなぁ」
「そうだっけ?あたしの部屋にあるんだっ。見ようかっ」
急にたどたどしくなった泰ちゃんを不思議に思いながらも、
あたしはただ普通に、泰ちゃんと居られる幸せを喜んでいた。