星に願いを。
電話を切った後、あたしは駆け足で泰ちゃんのもとへ向かった。
「泰ちゃん」
1階でテレビを見ていた泰ちゃんは、やっぱりいつもと違ってみえる。
何だか変だ。
「泰ちゃん!」
「、っえ!?」
もう一度耳元で名前を呼ぶと、やっと気づいてくれる。
最近はずっとそんな感じ。
「ごめん、どした?」
そして毎回、こうやって謝ってくるのだ。
「花火大会、行かない?近くの河原でやるの。日和が誘ってくれたんだけど」
「…でもそれって俺邪魔じゃない?日和ちゃんが誘ってくれたんなら2人で行ってくれば?」
俺に構わず…ね?なんて笑顔を見せる。
何故だか少し、泰ちゃんが遠くなったような気がした。