星に願いを。



お母さんの顔は今にも倒れるんじゃないかってほど真っ青だった。



「泰ちゃんがいなくなったって…。なにかあったの?」


「なにもないよ。泰輔くんも色々あるんだ、なにか突然用事でも出来たんじゃないか?」


お母さんの代わりに、お父さんが答える。




でも…

本当に用事が出来たんだとしても

泰ちゃんは誰にも黙って行くような人じゃない。


そんなこと、ここにいるみんなが知ってるはず。



それに


お父さん お母さん 正一叔父さん まさき叔母さん


大人たちの態度がおかしいことくらい、あたしでもわかる。


空気がピンと張ってて

少しでも触れたら切れてしまいそうな






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