星に願いを。
あたしはそれ以上聞くのを止めた。
だって言ってる
“聞かないで”って
そういう雰囲気を、大人たちが作ってる。
何も言わずに二階に上がり、自分の部屋へ行くとケータイを手に取った。
泰ちゃんの番号を探して通話ボタンを押す。
《留守番電話サービスに接続します――》
泰ちゃんの優しい声とは違う
冷たい機械音が頭に響いた。
「蜜葉」
『蜜葉ちゃん』
ドアの開く音がして、顔を上げるとお姉ちゃんと晴美ちゃんが立っていた。
「連絡、したの?」
「繋がらなかったけどね」
ははっ、と笑ってみたけど
自分でも驚くほど乾いた声だった。