星に願いを。
自分で言っておいて顔が熱くなる。
熱くなった頬に冷たい風が当たって気持ちいい。
少し驚いた後、優しく笑う泰ちゃんを横目で見て、照れ隠しにまた空を見上げた。
「そ、そう言えば願い事してないね!」
「そう言えば。流れ星と言えば願い事だもんな」
目を瞑って、心の中で唱える。
あたしの願いは決まっている
“泰ちゃんとずっと
一緒にいられますように”
目を開けると、泰ちゃんも同じように目を瞑っていた。
「何お願いしたの?」
目を開けた泰ちゃんに聞いてみた。
「内緒」
「えぇ?なにそれっ」
泰ちゃんは優しく笑った。
「きっと蜜葉と同じだよ」
「…だといいね」
いつまでも、いつまでも
流れる星を2人で見ていた。