じいちゃん、聞こえていますか??

はんこう。


「―うるせえよ!!」

バンッ!!
あたしは、扉を強く閉める

キャンッと飼っている犬のランが小さく吠える

「侑唯!!」


―反抗期。
部活でも友人関係でもうまくいっていなかったあたし。
そのストレスは親や・・・


「ゆい・・ちょっと、水持ってきてくれないか?」


「うるせえよ!!何でさっき下行ったときにのまねえんだよ!!」


奇跡的な回復を見せて自宅からの
週3の透析通いが許されるようになった

そんなじいちゃんにまで向けられた


部活では、顧問とケンカ。
友達には、いじめを受け裏切られ・・・・
学校では、まったくと言っていいほど居場所がなかった。


家でも

「侑唯、ちょっと掃除機かけてくれない?」

今までは自分で運転して病院へ通っていたじいちゃん。
事故ったあとは看護師の注意もあり、母さんが送っていた。

母さんも仕事をしていて、毎朝送りお昼休みに向かえに行くという生活。
朝昼あわせて、往復2時間もかかる場所へ週3。

口でいうほど楽な仕事でもなく
母さんもギリギリの生活を送っていた。




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