じいちゃん、聞こえていますか??
ぐっと力む。

ドアを開けると、白いシーツの上に横たわるじいちゃん。
いつも付けていた緑の酸素を送るやつ?みたいなのはなく、テレビの棚しかない部屋。

そして、その横たわるじいちゃんの横に、じいちゃんそっくりのおじいさん。


「・・・おじちゃん、ですか?」


じいちゃんが入院していた病院がある市に住む、じいちゃんのお兄さんにあたる人。


おじちゃんは、あたしを見つめる。
裸足の足、寒空の下で上着も着ていないあたし。


「・・・おれも、間に合わなかったんだ。」


その瞬間糸が切れたように涙があふれ出す


認めたくない現実
逃げたい
ここから、逃げたい・・・


コンコン・・・

看護師が入ってきた

「・・・あら・・ゆいちゃん。」

知ってる看護師。

「・・・・っ、助けろ!!今すぐ、人工呼吸でもっ何でもして!!電気ショックは!?ねえ、はやく緑のヤツ付けて!!死んじゃう、じいちゃん死んじゃうじゃんかよおおお!!!」

そのとき、ドアがあき、妹と父が入ってくる
あたしの上着と靴を持って。


看護師の服を握りしめたときに看護師の服に血のシミができた。

・・・あたしの手の・・シミ・・・。


そして、床には擦ったようにできたあたしの血の痕。


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