【BL】愛のカタチ
第1章
「やっと着いたぁっ!!」
疲れたぁ。と、息を吐きながら前の門を見る。
『東和学園高等部』
門の脇に書かれた文字を読み、来たことを実感する。
「やっと、やっと…逢えるんだ…」
そう呟いて、首にかけてあるロケットアクセサリーに触れる。
中には俺が産まれてすぐの写真が入っている。
俺を抱いた母さん。
その横で微笑む父さん。
二人の間で笑う姉ちゃん。
父さんに抱かれた兄ちゃん。
俺の唯一の家族。
でも俺は家族全員と暮らすことはできなかった。
俺は、不倫同士の愛で産まれた子供だったから……