【BL】愛のカタチ
「不安がっても仕方ないか」
行ってみて駄目なら駄目で、全寮制の高校生活を満喫すればいいか…
ポジティブなのが俺の長所だし。
門に向かい、インターフォンを押す。
『あ゛……誰?』
低く寝起きのような声。
「明日からここに通う…
『佐伯未来(サエキミライ)…か?』
「違ぇよ。ミライじゃなくて、ミクだ」
人の言葉を遮っておいて、人の名前を間違うって…
入学する前からテンション下がって来たんですけど……
「悪ぃな。間違って…」
「うぇえっ」
インターフォン越しに聞こえていた声が、肉声になった。
しかも前から……。