今日、殺しにいきます。
「もしもし」

「・・・。」

「・・もしもし」

無言電話・・?

桜子は一回自分も黙り、相手の状況をさぐってみる。

ザ・・・ザ・・・

−−−耳をすますと、そんな機械的な音が聞こえてくる。

「・・・今日」

ふいに相手が口をひらいた。

桜子はいきなりの相手の声に、びくっと肩を震わせた。

不気味で、機械的な声だった。

「今日、殺しにいきます。」


・・え?

桜子の頭の中が一瞬、真っ白になる。

ごくり、と唾を飲み込んだ。

< 10 / 20 >

この作品をシェア

pagetop