今日、殺しにいきます。
「あ・・・の」

・・・言葉といえば、そんな呟きしかでない。

受話器をつかんでいる手が、じわりと嫌な汗でぬれている。

そのままだと落としそうだったから、桜子は慌てて片方の手へ受話器をうつした。


足が、ふいにガタカダと震えていく。

・・・・頭の中がうまくまわらない。


< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop