君と初恋とタオル。
「…謝るなって、大丈夫だから。…な?」
目線を下に向けてると、山本くんの優しい声が鼓膜に溶けるように響いた。
ゆっくり山本くんを見ると、山本くんは首を傾げて微笑んだ。
「うん…ありがと、山本くん」
「あっ…亜美さぁ、山本くんっつーのやめない?距離がさ…その、遠く感じるってか…」
山本くんが自分の髪をクシャッとかきあげた。
………?
「どーして?」
「………はぁ、まぁいいや。とにかく、山本くんはやめて名前で呼んで、マジで」
あ、ちょっと久しぶりに聞いた。
やま……じゃなくて、
隆汰くんの『マジで』
「うん、頑張るね」