君と初恋とタオル。
あ…野球が好きな子なんて、引くかな……?
言ったあとで気づいた。
バカだ…………
ズーンと一気に底に落ちた気分。
最悪。
もうちょっと可愛げがあること言えば良かった。
「野球、好きなの?」
山本くんが、タオルで口元を拭きながら言った。
あたしが、恥ずかしくて俯いたままでいると、真菜が代わりに口を開いた。
「亜美って、お父さんの影響で野球が好きなんだよ。ね、亜美?」
あたしは涙が出そうになった。
言いたくても、言えなかった言葉を真菜が伝えてくれた。