君と初恋とタオル。
あたしはイキナリ聞こえた声に驚いて、小さな悲鳴を上げた。
パッと声の方に顔を向けると、ついさっきまで想っていた山本くんが居た。
「………えぇぇ!?」
びっくりし過ぎて、涙が止まった。
「そんなに驚くなよー!」
あははっと爽やかに笑いながら、山本くんがあたしに近づいてきた。
「どうしたの?こんな所に…」
あたしは慌てて立ち上がりながら言った。
「ホームランのボールがさ、屋上まで上がっちゃって取りに来た……
って、亜美の方こそ…どうしたんだよ?うずくまってただろ?てか、泣いてただろ。」
山本くんが、急に切ない表情になって、あたしの顔を見つめた。