rainy monday
ハンドタオルをギュッと絞り、バックの中へ入れようとした瞬間、上から声が降ってきた。


「君も傘、忘れたん?」


突然の声に驚いて見上げると、そこには制服を着た男の子が1人。

よくよく見ると、私の学校の男子制服だ。


「う・・・うん。」


人見知りの激しい私は、声がどもってしまった。


「あ、いきなりごめんな?同じ高校の制服で、俺と同じ雨に濡れた子がおって、どうしても話しかけたくなってん。」


そう言って笑った彼の笑顔は、何故か太陽のように思えた。



ダークブラウンの短髪に、大きな二重。

170cm相当だと思われる、背丈。

ブレザージャケットの下に着た、赤いTシャツ。


何故だろう。この男の子に凄く見覚えがある。

同じ学校なのだから、当たり前といえば当たり前なのだが・・・

いったい、どこで見たのだ?


「あれっ。君、文集委員の子やん。確か・・・香月さん!香月雪野!」


そう言われ、一瞬思考回路がフリーズする。

ブンシュウイインの子?

ってことは、この人も文集委員なのか。


< 3 / 9 >

この作品をシェア

pagetop