rainy monday
・・・あ、この人、2年C組の・・・

「藤間・・・くん。藤間零壱くん!」


思い出した。

今日の文集委員の集まりで1人ずつ名前を黒板に書いて、簡単な自己紹介をした時に、

“零、壱?すごい面白い名前だなぁ・・・。”

と思ったのだ。


「おう、名前、覚えてくれたんか。香月さん、記憶力ええんやな。」

「ううん・・・藤間くんの“零壱”って名前、面白いなって思って。だから、覚えてたんだ。」

「あぁ、なるほど。でも、変な名前やろ?ゼロイチ、て書いて“れいいち”て読むねんで?親のセンス疑うわ。」

「ふふっ、でも、私は良い名前だと思うけどなぁ。」

「そうか?ま、サンキュな。いい名前、なんて初めて言われた。」


そう言って、藤間くんは頭をかく。

照れているのか、ほんのり頬が赤い。


「香月さんは、優しい子ーやな。」

そして、藤間くんは優しい太陽の笑顔を私に向けてくれた。


その笑顔で、私は不思議な気持ちになった。

あったかくて、きゅっと心が締め付けられる。

こんな気持ちは初めてだ。


私は顔を赤くして、固まってしまった。

そんな私を見た藤間くんも、つられて赤面している。


「あ・・・電車来たで。乗ろう?」

「・・・うん。」


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