ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
数時間が過ぎる頃、飲み比べをしていたヒロはすっかりダウンし、並べた椅子の上で寝ていた。
『この若ゾーはなかなかやりやがるな…久しぶりに負けるかと思ったよ』
シュンはヒロを見て言った。
『さーてと、じゃあそろそろお開きにしましょ』
里菜は皿を重ね始めた。
『後は俺たちで片付けておくから、ケイゴはレイナを送って行ってやれ』
キースは後片付けをした。
『はい、じゃあ片付けよろしくお願いします』
ケイゴは頭を下げた。
『ケイゴ、ほらよ』
シュンが奥の部屋からギターケースを持って来て、それをケイゴに手渡した。
『そのギター…一体どうするの?』
レイナは不思議そうに尋ねた。
『ちょっとね…行こうかレイナ』
ケイゴはレイナの手を引っ張って店を出た。
そしてケイゴとレイナの二人は会話をしながら、レイナの家の方へと歩いていた。
すると、ケイゴは突然レイナの手を引っ張り、夜桜が舞い散る公園へと入って行った。
『レイナ。隣に座って』
ケイゴはそう言いながら、ギターケースを下ろしベンチに座った。