ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『じゃあ、もしかしてギターも弾くの?』
レイナは驚いた。
『弾くよ。この2、3週間の間にシュンさんから教えて貰ったんだ』
『シュンに!?じゃあ、もしかしてその指のバンソウコウって…』
『料理してて切ったって言うのは嘘で、ホントはギターだこを隠してただけなんだ』
ケイゴは笑って言った。
『ケ、ケイゴ…』
レイナはケイゴの指を見つめた。
『ギター弾いて初めて知ったよ。ギターってさ、コードがいっぱいあって…凄く難しいよね』
『でしょ?』
レイナは笑って言った。
『レイナやシュンさんはこんな難しい楽器を簡単に弾いてるんだもんな。凄いなーって何度も感心したよ』
ケイゴも笑って言った。
『私も最初は凄く苦労した。…シュンってギターを教える時、凄くスパルタだったでしょ?』
『うん。凄くスパルタだったし、恐かった』
ケイゴはそう言って、ギターのチューニングをし始めた。
『よし、じゃあ歌うね。今から歌う歌は、シュンさんがわざわざ曲を書いてくれて、それに僕がレイナの事を思って詞をつけたんだ。はっきり言って僕は、歌には自信ないけど…でも聴いてね。“君のために”』
ケイゴはそう言うなり、まだまだぎこちない手でギターを弾き始め歌い出した。