ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
イヴはカラオケへ着くと、受け付けをさっさと済まして、またレイナの手を引っ張り部屋へと入った。
『さーてと、何歌おうかな…お姉さんは何歌います?』
イヴは曲を探しながら言った。
『えーっと…私は良いや』
『えー、歌わないの?…あっ、もしかしてお姉さん音痴なんですか?』
イヴは笑って言った。
『えっ…ん、まあ…ね』
レイナは戸惑いながら言った。
『そうなんだ。音痴なんて気にしなくて良いんですよ』
そう言いながら選曲し、曲が流れ出しイヴは歌い出した。
『あ〜あ…早く帰ってコンサートのMCの言葉考えなきゃならないのにな…』
レイナは時計を見ながら、ボソッと呟いた。
イヴは一人で5曲程歌っていた。
『ねぇ…お姉さん。フレンズってバンド知ってますか?』
イヴは突然尋ねた。
『えっ!?…ええ、知ってるけど…』
レイナは少し戸惑いながら言った。
『そのフレンズの1stアルバムに収録されてる“勇気という名の翼で”って歌が、私凄く好きなんです』
イヴは笑顔で言った。
『“勇気という名の翼で”って…確かあの歌は…』
レイナは呟いた。