ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『まあ、来月までまだ時間はあるから…ゆっくり考えなさい。本気で夢を追いかけるかどうかを…』
キサラギミサトはそう言って、お店の方へ出て行った。
『本気で夢を追いかけるかどうかか…』
ケイゴは考え込んだ。
そして、お昼になりケイゴは一旦お店を離れ、お昼休憩をとりしばらくしてお店へと戻ってきた。
『はい、はい…わかりました。伝えておきます』
キサラギミサトは電話を切るなり、休憩から帰って来たケイゴに気付き駆け寄って来た。
『ケイゴ…落ち着いて聞きなさい』
キサラギミサトは重苦しい様子で言った。
『ど、どうしたんですか?』
ケイゴは少し戸惑った。
『あなたの友達のヒロがバイクで事故って…意識不明の状態らしいの』
キサラギミサトが電話の内容をケイゴに伝えた。
ケイゴはその言葉が信じられなかった。
『ケイゴ…!?大丈夫?』
キサラギミサトは呆然としているケイゴを見て心配した。
『ヒロが…そんな…』
ケイゴは突然お店を飛び出し、ヒロの運ばれた病院へとひたすら走った。
ヒロの今の状態を表すかのように、天候も次第に崩れて行き…ケイゴが病院に着くと同時に雨が降って来た。