ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜


病院に向かっている途中、ケイゴの携帯にレイナから電話がかかって来た。


レイナからの報告によれば、ヒロは意識を取り戻し助かったとの事だった。


『助かって良かったわね、ケイゴ』


病院の駐車場に着くなり、キサラギミサトはケイゴ見て笑顔で言った。


『…はい。ミサトさんご迷惑おかけしました』


そう言って、ケイゴは車から降りヒロのいる病室へと走った。


この時天候もすっかり落ち着き、雲間から青空が顔を覗かせていた。


病室の扉を開けると、レイナが振り返った。


『ケイゴ。ヒロ君助かったよ…良かったね』


レイナは笑顔で言った。


『ヒロ…』


ケイゴがそう言うと、ヒロは寝転がりながらケイゴを見た。


『ケイゴ…迷惑かけたな。ゴメンな』


ヒロは謝った。


『ホントだよ、バカ』


ケイゴはヒロの顔を見て、嬉しそうに言った。


『じゃあ、私練習あるから帰るね』


レイナはそう言って、病室を出て行った。


『私は花瓶に水入れてくる』


ユイも病室を出て行った。


二人が出て行くのを確認したヒロはケイゴに言った。


< 117 / 232 >

この作品をシェア

pagetop