ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『どこ行くのよ?…後30分でまたリハーサル始まるわよ』
里菜は控え室を出ようとしたシュンに言った。
『わーかってるって』
シュンはそう言って、部屋を出て行った。
『シュン…』
レイナは心配そうに呟いた。
シュンは一人会場を出て、近くの公園へとやって来た。
すると、髪を束ねた一人の女性がベンチに座っていた。
『よいっしょ』
シュンはその女性の隣に座った。
『公園で待ってます…か、名前くらい書いておけよミナミ。まあ字を見てお前だってわかったけどさ』
シュンは隣の女性を見て言った。
『久しぶりね…シュン。まだ音楽続けてたんだね』
ミナミはシュンの方を見ず、前だけ見ていた。
『ああ。今はフレンズってバンド組んで、頑張ってるんだ』
シュンは笑顔で言った。
『知ってるわ。リョータがそう言ってたから…』
『そうかリョータが言ってたか…え!?リョータ?』
シュンは驚いた。
『あなたがショッピングモールで話していた迷子の子供…リョータはシュンの子供よ』
ミナミは初めてシュンの方を向いた。
『本当かよ!!そうか…アイツが、リョータは俺の子供か』
シュンは嬉しそうに言った。