ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
『う〜ん、じゃあ青い方』
ケイゴがそう言うと、レイナはケイゴがずっと元気でいれる事を願いながら、ケイゴの腕に青いミサンガを結んだ。
『ありがとう。レイナ、そっちのミサンガ貸して。結んであげるよ』
ケイゴはレイナがずっと幸せでいられる事を願いながら、赤い方のミサンガをレイナの左腕に結んだ。
『さてと、そろそろ行くね』
ケイゴはそう言ってベンチから立ち上がった。
『ケイゴ!!…頑張ってね』
レイナも立ち上がった。
そしてケイゴはレイナを優しく抱きしめた。
『レイナ。レイナも頑張ってね。それから、また独りにしてごめんね』
『ううん。独りじゃないもん。どんなに離れてても私の心の中には、いつもケイゴがいるから…大丈夫だよ』
『そっか、なら良かった。もし…もし、レイナに何か合ったら僕は必ず飛んで帰ってくるからさ』
『大丈夫だって。だから、安心してケイゴは夢を追っかけてよ』
ケイゴは抱きしめていた手を放した。
『じゃあ、またねレイナ』
ケイゴは荷物を持ち、そう言って暗闇の中へと消えて行った。
『元気でね、ケイゴ』
レイナは目に涙を浮かべながら、ニコッと笑った。
織り姫と彦星。
二人が出会うその日に…ケイゴとレイナは別々の夢に向かって、遠く離れて行った。
そして織り姫と彦星に代わって、この日ケイゴとレイナは心の中で…催涙雨を流した。