ミュージック・ラブ〜君がくれた歌〜
2002年〜冬〜
小林誠吾との出会い♪
1月2日。
不透明なこの世界を、時間だけが足速にかけていき、あっという間に年が明けた。
年が変わり、街は新年を喜ぶ人々で賑わっていた。
年は変わっても、この街には変わらないモノたちで溢れていた。
そう、この日もレイナはいつもと変わらず、歩道橋で一人、ギターを片手に歌を歌っていたのだった。
『月の下で奏でるメロディー〜君は何を感じているの〜♪』
レイナが地面にあぐらをかいて座りながら歌っていると、ふと一人の男が目の前で足を止め、立ち止まった。
その男の姿は、銀色の肩よりも少し長い髪をしていて、スーツを着てはいるがネクタイをしていなく…どこかホストっぽい感じの男だった。
『君の歌からは口先だけの言葉しか感じられない。君は誰のために歌っているんだ?』
ホスト風の男は冷たく言い放った。
その言葉にレイナは、何も答える事が出来なかった。
『ふっ…』
ホスト風の男は少しあきれた様子を見せた。